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職員の賃上げ対応で「調剤基本料」を3点引き上げ 改定答申

敷地内薬局は5点の「特別調剤基本料A」を算定

2024年度診療報酬改定で調剤報酬の主な見直し内容をみると、「調剤基本料」は職員の賃上げ対応に加え、医薬品供給拠点としての地域医療への貢献を評価し、3点引き上げる。改定後の点数は、▽調剤基本料1・45点▽同2・29点▽同3・イ24点、ロ19点、ハ35点-とする。このうち「調剤基本料2」は算定対象に、1カ月の処方箋受付回数が4,000回を超え、かつ処方箋受付回数が多い上位3医療機関の処方箋による調剤の割合の合計が7割超の薬局を追加する。

既存の「特別調剤基本料」(7点)は、いわゆる敷地内薬局が対象の「特別調剤基本料A」(5点)と「調剤基本料」に関する施設基準の届出をしていない薬局が対象の「特別調剤基本料B」(3点)に分割。「特別調剤基本料A」は、医療機関と不動産取引等で特別な関係にあり、当該医療機関の処方箋による調剤の割合が5割を超える薬局とする施設基準を定め、届出を求める。「基本料A、B」とも加算等の算定を制限するが、特にBは、「調剤基本料」の諸加算のほか、「服薬管理指導料」、「調剤管理料」、「服薬情報等提供料」なども一切算定できない取扱いとする。





「地域支援体制加算」は要件を厳格化し、7点の引き下げ

「地域支援体制加算」は、「加算1」の施設基準で新たに「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」の合計算定実績を満たすことを必須とするなど、薬局のかかりつけ機能を適切に評価する方向で要件を厳格化する。点数設定も見直し、「加算1」32点、「同2」40点、「同3」10点、「同4」32点-と7点ずつ引き下げる。

「かかりつけ薬剤師指導料」は、かかりつけ薬剤師以外がやむを得ず対応する場合の要件を緩和する。服薬情報の一元的・継続的把握や同一薬局の利用を推進することが狙いで、代わりに対応する薬剤師を1人に限定する現在の規定を改め、患者からの事前同意の取得と一定の要件を満たす常勤薬剤師であることを条件に、複数人での対応を可能とする。薬剤師の要件は、▽当該薬局に週32時間以上勤務▽薬剤師認定制度認証機構が認定する研修認定制度等の研修認定の取得▽医療に関する地域活動の取り組みに参画-を全て満たすことと定める。





「調剤後薬剤管理指導加算」は「指導料」に格上げ、慢性心不全を対象に追加

薬剤師が地域の医療機関と連携して行う、調剤後の薬学管理に関する評価の充実も図る。現行の「服薬管理指導料」の「調剤後薬剤管理指導加算」を廃止し、「調剤後薬剤管理指導料」にリニューアルする。その際、対象になる糖尿病薬の範囲拡大と、対象患者への慢性心不全患者の追加も行う。点数設定は糖尿病患者、慢性心不全患者とも60点(月1回)。算定要件では、▽調剤後に電話等による服用状況や副作用の有無等を確認▽必要な薬学管理と指導の継続的な実施▽処方医に必要な情報を文書で提供-を求める。「服薬情報等提供料」との併算定は不可。

なお、「調剤後薬剤管理指導料」が対象とする業務や、「吸入薬指導加算」(3カ月に1回に限り30点)が評価する吸入薬に関する情報提供、服薬指導は、かかりつけ薬剤師が通常行う業務の範囲には含まれないことから、いずれの報酬とも「かかりつけ薬剤師指導料」の算定患者での算定を認める。

(2024年2月14日時点の情報に基づき作成)



参考情報
厚生労働省 第584回中央社会保険医療協議会 総会

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