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2026/3/25 17:00
「調剤基本料2」の対象拡大など、調剤の主要改定項目を解説 厚労省
厚生労働省は3月5日に公開した2026年度診療報酬改定に関する動画で、「調剤基本料2」の対象拡大や「門前薬局等立地依存減算」の新設、かかりつけ薬剤師に対する評価の見直しなど、調剤報酬見直しのポイントを解説した。
調剤報酬については、(1)物価や賃金上昇への対応、(2)地域の医薬品供給拠点としての役割を発揮するための体制評価の見直し、(3)質の高い医療の推進のための薬局・薬剤師業務の対人業務の評価の見直し―を行う。
「調剤ベースアップ評価料」は40歳未満の勤務薬剤師と事務職員が対象
(1)では、40歳未満の薬局の勤務薬剤師と事務職員の賃上げ支援として、「調剤ベースアップ評価料」(処方箋の受付1回につき4点)、26年度以降の物価上昇への対応分として「調剤物価対応料」(3カ月ごとに1点)をそれぞれ新設。いずれも27年6月以降は倍額を算定する。
(2)では24年度調剤報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分として、「特別調剤基本料A、B」を除く「調剤基本料」を1点ずつ増点。「基本料1」と「同3ハ」は面分業推進に向けた増点(各1点)を合わせて行うため、トータルで2点の引き上げとなる(資料1)。
出典:令和8年度診療報酬改定説明資料等について(3/5)《厚生労働省》を編集
「門前薬局等立地依存減算」は立地と処方箋集中率の両要件を満たした場合が対象
「調剤基本料2」は、▽都市部(特別区・政令指定都市)において処方箋受付回数が600回超1,800回以下、かつ処方箋集中率85%超の場合▽処方箋受付回数が1,800回超かつ処方箋集中率85%超の場合―を対象に追加する。前者は、26年6月1日以降に新規開設する薬局を対象とし、26年5月末までに開設された既存薬局で改定後も継続して処方箋受付回数が1,800回以下の薬局は当面の間、適用を免除する。
新設の「調剤基本料」の「門前薬局等立地依存減算」(15点減)は、26年6月1日以降に新規開設される処方箋集中率85%超かつ、立地要件を満たす薬局が対象になる。立地要件は、都市部に所在し、近隣にすでに複数の薬局がある場合や、医療機関と同一敷地内または同一建物内に所在する場合が該当する。立地要件に該当しても、処方箋集中率が85%以下の場合は減算対象とはならない。
「地域支援・医薬品供給対応体制加算2〜5」は「地域支援体制加算1〜4」を概ね踏襲
後発医薬品の使用が定着しつつある一方、医薬品の供給不安による追加的業務が生じている現状を考慮し、現行の「後発医薬品調剤体制加算」は廃止。「地域支援体制加算」と統合する形で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」を新設する。
医薬品の安定供給確保のために必要な体制の整備と後発医薬品の調剤割合(85%以上)を要件とする「加算1」と、従来の「地域支援体制加算1〜4」の地域医療への貢献に対する要件を上乗せで求める「加算2〜5」の5つの算定区分で構成。このため「加算2〜5」の評価は、「加算1」の27点に「地域支援体制加算1〜4」の点数を上乗せし、37点〜67点に設定する(資料2)。
出典:令和8年度診療報酬改定説明資料等について(3/5)《厚生労働省》を編集
かかりつけ薬剤師の同意取得手続き、従来の様式に代えてお薬手帳を活用へ
(3)では、「かかりつけ薬剤師指導料」を廃止し、「服薬管理指導料」にかかりつけ薬剤師が指導等を行った場合の算定区分(イ)を新設する。当該区分を算定する際には、かかりつけ薬剤師の業務内容やかかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割を説明した上で、患者またはその家族から同意を得る必要がある。ただし、従来の所定の様式による同意取得は廃止し、これに代わる手段としてお薬手帳に▽患者の基礎情報(氏名、アレルギー歴、副作用歴、主な既往疾患)等及び薬剤師の氏名の近傍に「かかりつけ」の文字を記入する▽これらが記載されたページのコピー等を保管し、当該患者の薬剤服用歴等にその旨を記載する―こととする。
「服用薬剤調整支援料2」は所定の研修修了かかりつけ薬剤師のみ算定可
「服用薬剤調整支援料2」は、複数の医療機関から6種類以上の内服薬を処方されている患者に対して、かかりつけ薬剤師が薬物療法の適正化支援を行うことを算定要件とした上で、評価を1,000点(現行は90点または110点)へと大幅に引き上げる(27年6月1日から適用)。この場合のかかりつけ薬剤師は、日本老年薬学会の提供する老年薬学服薬総合評価研修会を修了、または同学会の老年薬学認定薬剤師である、かかりつけ薬剤師に限る。
また、算定のためには服用薬剤総合評価として、▽薬物治療に関する患者またはその家族等からの主観的情報の聴取▽検査値等の薬物治療に必要な客観的情報の収集▽服薬支援に必要な患者の生活状況及び意向に関する情報の聴取▽各服用薬剤がもたらす治療効果及び有害事象の評価▽解決すべき薬剤関連問題の特定及び整理▽服用薬剤調整後の観察計画及び対応案の立案―を全て行わねばならない。算定頻度等は、▽同一の患者に対して6カ月に1回限り▽かかりつけ薬剤師1人につき月4回まで―とする。
(2026年3月5日時点の情報に基づき作成)
参考情報
厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について
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厚生労働省 令和8年度診療報酬改定説明資料等について
令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】
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厚生労働省 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和8年3月5日保医発0305第6号)
調剤点数表
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