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ポリファーマシー対策の実施状況と影響などを報告 厚労省





厚生労働省は6月24日、第22回「高齢者医薬品適正使用検討会」(以下、検討会)を開催し、令和7年度(2025年度)厚生労働省医薬局医薬安全対策課委託事業である「高齢者の医薬品適正使用推進事業に係るアウトカム創出調査一式」の最終報告を行った。

報告書によると、10剤以上を服用している75歳以上の患者の24%が減薬を希望していることが判明。また、薬局薬剤師が使用する「おくすり問診票」が、患者の困りごとや減薬意向の把握に役立ち、医師への処方提案につなげるスクリーニングツールとして有用であることが示された。





病院・薬局でのポリファーマシー対策の実施状況や効果を調査

今回の調査は、病院・薬局での薬剤調整支援者(病院薬剤師・薬局薬剤師)によるポリファーマシー対策の実施状況とその効果を検証するために実施された。対象施設は、病院が埼玉県・広島県・香川県、薬局が埼玉県・広島県・兵庫県。病院では、2023年度に作成された「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方(病院版業務手順書)」および「高齢者の医薬品適正使用の指針」を活用したポリファーマシー対策の取り組み状況を調査した。

また、退院時に対象の病院から、かかりつけ医や薬局薬剤師などへ「薬物療法情報提供書」や「薬物療法情報回答書」を発行。薬局でのポリファーマシー対策の取り組みにどの程度寄与するかについても検証した。





「薬剤総合評価調整加算」などの算定件数が増加

事業参加前3カ月間(2025年6~8月)と参加期間中の3カ月間(2025年9~11月)を比較すると、「薬剤総合評価調整加算」は447件から593件(32.7%増)、「薬剤調整加算」は174件から205件(17.8%増)、「退院時薬剤情報連携加算」は1,210件から1,296件(7.1%増)となり、いずれも算定件数が増加した。

出典:厚生労働省「第22回 高齢者医薬品適正使用検討会」(2026年6月24日)を編集





このほか、同調査では、ポリファーマシー対策の阻害・促進要因について薬剤調整支援者を対象にアンケートを実施。ポリファーマシー対策の最も大きな促進要因と阻害要因について整理して示した。促進要因について、自由記載による回答を整理した結果、主に(1)診療報酬・制度的支援、(2)医師との協働関係、(3)院内での情報共有体制、(4)組織体制および役割の明確化、(5)患者要因、(6)薬剤評価のための情報把握、(7)地域・多職種連携――の7つが要因として抽出された。

一方、阻害要因についても同様に自由記載による回答を整理した結果、主に(1)情報収集体制の不足、(2)医師の理解が得られない、(3)業務時間および人員不足、(4)他施設との連携の困難さ、(5)処方意図の不明確さ、(6)入院期間の短期化、(7)地域連携の課題――の7つが挙げられた。

さらに、「担当者の設定」「対象患者の抽出」「院内教育」「テンプレート整備」などがポリファーマシー対策の導入時に必要な取り組みとして示され、既存業務を維持しながら「おくすり問診票」を併用する段階的な導入方法や、システムを活用した情報共有などが実践例として報告された。

出典:厚生労働省「第22回 高齢者医薬品適正使用検討会」(2026年6月24日)を編集
※「おくすり問診票」の著作権及び著作者人格権は全て国立長寿医療研究センターに帰属します。





対象患者の平均薬剤数は12.9剤、9割以上でPIMsを含む処方

薬局来局患者を対象とした調査は、埼玉県・広島県・兵庫県の3県で実施された。登録された薬局薬剤師は214人だったが、症例登録を行った薬局薬剤師は116人だった。登録患者は全体で651例、年齢は全体で84.7±5.6歳、平均薬剤数(外用薬を含む)は12.9剤で、そのうち9割以上の患者で、特に慎重な投与を要する薬物(potentially inappropriate medications:PIMs)が含まれていた。

また、かかりつけ薬剤師の登録については、全体では「あり」が64例(10%)、「なし」が498例(76%)であり、未記入は89例(14%)と、大多数が「なし」との結果になった。





対象患者の約4分の1が「くすりが多いから減らしたい」と減薬を希望

「おくすり問診票」による患者情報について集計した結果、過去の副作用経験については、全体で「あり」が131例(20%)、「なし」が463例(71%)、「不明」が6例(1%)、「未記入」が51例(8%)と、患者の20%が過去に副作用を経験していることが明らかになった。また、159例(24%)が「くすりが多いから減らしたい」と回答し、減薬を希望していた。

また、「日中の眠気が続く」「ふらつきやめまいを感じる」といった老年症候群の症状はいずれも26%で認められた。

薬局薬剤師による評価では、将来的な有害事象の懸念や減薬希望など何らかの課題がある患者は57%となり、服薬情報提供書などによる処方提案を142件実施した。このうち75件(52.8%)で処方が変更された。

多職種連携では、連携相手が1人以上いた症例は28%であり、その多くは医師との連携(25%)で、看護師、ケアマネジャー、病院薬剤師との連携割合は低かった。一方で、地域別にみると、連携割合には差が認められ、特に兵庫県は連携割合が低い傾向が報告された。





検討会でも「おくすり問診票」の有用性を評価

こうした報告を受け、検討会の構成員は「薬局での対応として、『おくすり問診票』の利用が大変有効である。本人の困りごと、意向などがしっかりと把握でき、処方提案につながる、というモデルを示していただいた」と発言するなど、「おくすり問診票」が高く評価された。

また、別の構成員が「薬を減らしたいという人が24%いたのは、重視すべき問題」と指摘するなど、高齢者の処方の適正化への取り組みが必要な状況であることも明らかになった。

なお、検討会では、令和7年度事業の一環として、医師・歯科医師・薬剤師を主な対象に「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」など4種類のポリファーマシー対策の普及啓発資材も公表された。

(2026年6月24日時点の情報に基づき作成)



参考情報
厚生労働省 第22回高齢者医薬品適正使用検討会

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