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OTC類似薬の保険給付見直しに向け、中間とりまとめ





「OTC類似薬の一部保険外療養」(以下、一部保険外療養)の仕組みを2027年3月に施行することを想定し、厚生労働省(以下、厚労省)は8月6日、「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」(以下、技術的検討会)の検討に基づく「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた中間とりまとめ」(以下、中間とりまとめ)を公表した。厚労省は、中間とりまとめを中央社会保険医療協議会や社会保障審議会医療保険部会に報告、患者団体などからのヒアリングも踏まえて、9月中にも結論を得ることにしている。





OTC医薬品購入の患者との公平性の確保などから実施

OTC類似薬とは、OTC医薬品(要指導医薬品、一般用医薬品)との代替性が特に高い医療用医薬品を指す。OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、一日最大量が異ならない医療用医薬品(77成分)を対象とすることなどが、2025年末までの議論で示されていた。

一部保険外療養は、OTC類似薬に該当する医療用医薬品を使用する場合、その薬剤費の4分の1を保険外の「別途の負担」として求める仕組みである。これは、医療用医薬品の処方を受ける患者とOTC医薬品を購入する患者の公平性を確保するとともに、現役世代を中心とする保険料負担の上昇を抑える観点から実施される。

仕組みの一部は、2024年10月に始まった「長期収載品の選定療養」と共通するが、これには長期収載品または後発医薬品という選択肢があるのに対して、一部保険外療養では選択肢がない。なお、一部保険外療養の対象となる場合は、制度を複雑化させない観点から、長期収載品の選定療養における「特別の料金」は求めないこととされている。





OTC類似薬とOTC医薬品の効能・効果の対応関係を整理

対象医薬品は、OTC類似薬とOTC医薬品で同一成分であっても、承認された効能・効果が異なる場合がある。このため、中間とりまとめでは、両者の効能・効果の対応関係を整理した。

出典:厚生労働省「【概要】OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた中間とりまとめ」(2026年8月6日)





効能・効果が対応すると整理されるのは、▽疾患名が直接または実質的に対応している場合、▽OTC医薬品の効能・効果として記載された症状などが、OTC類似薬の処方目的と対応している場合――などである。

一方、OTC類似薬とOTC医薬品で使用される目的が明らかに異なる場合は、効能・効果が対応しないものとして、別途の負担を求めない。

例えば、フェキソフェナジン塩酸塩では、OTC医薬品にない蕁麻疹や皮膚疾患に伴うそう痒への使用では別途の負担の対象外となる一方、アレルギー性鼻炎など、OTC医薬品の効能・効果と対応する使用では別途の負担の対象となる。





がん患者、指定難病患者などは一定の療養を対象外に

「別途の負担を求めない者と療養の範囲」として、がん治療中の患者や指定難病患者、公費負担医療の対象者については、原疾患や治療に関連する症状に対する処方であれば別途の負担の対象外とするとした。また、入院中(退院時を含む)に対象医薬品が処方された場合も対象外とする。

がん患者については、単にがんの診断歴があることだけで対象外とはならない。がんの治療中に、がんまたはその治療に関連して生じた状態に対して対象となるOTC類似薬を使用する場合は、別途の負担を求めない。抗がん剤治療、放射線治療、手術などに伴う副作用・有害事象への対応、免疫抑制状態への対応などが該当する。一方、がんとは直接関係のない花粉症、水虫、腰痛などの症状については、がん患者であることだけを理由に対象外とはしない。

指定難病患者については、指定難病およびそれに伴って発生する傷病に対するOTC類似薬の使用を別途の負担の対象外とする。なお、指定難病の医療費助成の対象者であるかどうかは問わない。

処置等の一環として処方されるOTC類似薬については、制度運用上の分かりやすさも踏まえ、「14日分まで」は別途の負担を求めない。このほか、OTC類似薬の長期使用も別途の負担の対象外とする。長期使用とは、1年という単位の中で、医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、対象医薬品の長期使用等が医療上必要であると認めている場合を指す。





外用薬の一部は2028年度末まで経過措置、長期使用を対象外に

医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える患者については、内服薬(頓服薬を除く)と外用薬に分けて整理している。

内服薬は、(1)年間処方日数がおおむね50週である場合(診療情報提供書、薬剤情報、お薬手帳、オンライン資格確認による薬剤情報等で過去の診療経過や処方歴を確認)、(2)過去の診療経過または処方歴は確認できないが、初診から6カ月にわたる継続的・反復的な使用が確認され、通年での使用(直近の実績を含め少なくとも50週の継続)が医療上必要だと医師が認めている場合――を別途の負担の対象外とする。

外用薬については、湿布などの鎮痛消炎剤は長期使用でも原則別途の負担となる。ただし、一定の重症患者において長期使用の実態があることを考慮し、(1)アトピー性皮膚炎に対するヘパリン類似物質や尿素:通年使用の場合、(2)点眼薬:通年性のアレルギー性結膜炎などで通年使用が確認できる場合、(3)鎮痛消炎剤:画像検査などで慢性かつ重度の疾患(例:変形性膝関節症におけるKellgren–Lawrence(KL)分類のGrade4)であることが客観的に確認され、医師が年間を通じた疼痛管理として継続使用が医療上必要と判断し、毎日使用するように指示して処方する場合、(4)アトピー性皮膚炎以外の皮膚疾患に対する皮膚保湿剤・皮膚保護剤・角化症治療剤:免疫抑制剤等による全身療法を併用した治療歴(例:直近1年以内)がある場合――は、別途の負担の対象外とする。なお、(3)と(4)は、2028年度末までの経過措置とし、別途必要な見直しを行う方針だ。





OTC医薬品の添付文書に「服用しないこと」と記載されていても別途の負担となる場合も

このほか、OTC医薬品の添付文書で「服用しないこと」とされている患者についても整理した。「服用しないこと」の記載には、(1)自己判断による服用を避け、医師による個別の判断を求めるもの、(2)OTC医薬品の効能・効果または使用対象を限定するもの、(3)原則として使用を避けることを前提とするもの――の3種類があるとした。例えば、(1)は、別途の負担の対象とする。OTC医薬品の添付文書に「服用しないこと」と記載されていても、医療用医薬品の添付文書では「禁忌」とされておらず、処方が可能なケースだからだ。(2)については、効能・効果の違いや「別途の負担を求めない者と療養の範囲」に該当するかで、別途の負担の対象となるかどうかを判断する。

一方、(3)については、妊婦・妊娠している可能性があるためOTC医薬品を服用できない女性・授乳婦は別途の負担の対象外とする。また、対象となる医療用医薬品については、OTC医薬品の添付文書に「服用しないこと」と記載されており、医療用医薬品の添付文書において妊婦または授乳婦に関する注意喚起がある薬剤とする。





子どもや生活保護受給者は別途の負担の対象外

18歳年度末(18歳に達する日以後最初の3月31日まで)までの子どもは、別途の負担の対象外となる。ほかに、「低所得者」として生活保護受給者も別途の負担の対象外とする。

なお、実務においては、別途の負担の対象である場合、医師は処方箋にその対象であることを記載。この処方箋を受けた薬局では患者に対して別途の負担について説明を行い、必要に応じて疑義照会を行う。

(2026年8月6日時点の情報に基づき作成)



参考情報
厚生労働省 「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた中間とりまとめ」について

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厚生労働省 OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会

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厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第655回)

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