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レナリドミド後発品、複数の管理手順の存在を容認

サリドマイド「TERMS」での運用認める

 厚生労働省の薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は25日、多発性骨髄腫などの治療薬「レナリドミド」の後発品が新たに承認された場合、胎児への薬剤暴露防止を目的とした安全管理を、類似の化学構造を持つ「サリドマイド」の安全管理手順「TERMS」に基づき運用することを了承した。

 多発性骨髄腫の治療に用いるレナリドミドとサリドマイドは共に強い催奇形性がある。このため安全管理手順として、レナリドミドは「RevMate」、サリドマイドは「TERMS」がそれぞれ運用されている。レナリドミドの後発品もRevMateでの運用が原則となっている。

 しかし、藤本製薬は開発中のレナリドミドの後発品の承認後はTERMSでの安全管理の実施を申し出ている。同社は、2008年のサリドマイドの製造販売承認後10年以上にわたりTERMSの運用を行ってきた。

 これを踏まえ、厚労省はこれまで3回にわたり検討会を開催。この日の会合で、厚労省はTERMSによる運用は、RevMateの管理手順を大きく変更するものではなく、必要に応じて規定の見直しなどを行うこととした上で申し出を認めるという見解を取りまとめた。

 ただ、複数の委員から「同一の医薬品に対し、複数の安全管理手順が存在することで医療現場の負担や混乱を招くのではないか」と懸念する声が相次いだ。また、製薬企業の医薬情報担当者(MR)にも情報提供の内容に個人差があることから、企業内の教育の強化を求める声も出た。

 これに対し厚労省は、医療現場で懸念される点や企業内教育の必要性などを製造販売業者に伝えた上で、しっかりと連携を取りながら対応していく考えを示した。

【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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