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医薬品出荷量の増減見込み公表へ 厚労省案
2024年10月22日 12:29
限定出荷の解除促す
医療用医薬品の限定出荷や供給停止の解消につなげるため、厚生労働省は日本製薬団体連合会が実施している医薬品の供給状況に関する調査に、出荷量の増減の見込みやそれの達成時期の項目を追加する案を有識者会議に21日示し、おおむね了承された。
これにより、医薬品の製造販売業者が他社の出荷状況や今後の見込みを事前に把握できるようにし、限定出荷の解除を検討しやすくする。
さらに、見込みを含めて出荷状況や出荷量に変化があった品目のリストを新たに作り、限定出荷の解除の定期的な検討を促す。
また同一成分・同一規格の品目について、複数の製造販売業者が同じタイミングで限定出荷を解除する場合に実施可能だと考えられるケースでは、厚労省が解除時期を指定した上で一斉解除の検討を要請する。
それらの対応を取っても、限定出荷が継続している医療上の必要性が高い品目は、日薬連と厚労省が連携し、個別にヒアリングを行う。また、自社の供給のみでは市場の需要を賄えないために限定出荷を解除できない場合には、同一成分・同一規格の品目を製造する他社に必要な供給量を確保できないか問い合わせ、可能な場合に追加供給を依頼するなどの対応案も示された。
一連の対応案は、通常出荷品目の数量割合が比較的高い成分規格(区分B)の医薬品を対象に厚労省が8月下旬-9月上旬、製造販売業者に限定出荷解除の検討の可否を問い合わせた調査結果を踏まえたもの。
省内の「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」に21日示した。
調査では、54社257品目のうち87品目(33.9%)は限定出荷の解除につながったか、解除の時期が明確になった。
通常出荷品目の数量割合が高い成分規格(区分A)を対象に行った調査でも限定出荷の解除につながった品目があり、厚労省は通常出荷品目の数量割合が低い「区分C」と「区分D」でも解除の可否を調査する方針を示した。
そのほか、他社の品目を含む需給バランスの定期的な把握や、自社の品目の限定出荷解除が必要かの定期的な検討、限定出荷を解除する要件の明確化を製造販売業者に要請することにした。
【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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