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市販薬の乱用対策「処方薬へ見直し検討を」
2024年11月26日 14:10
規制改革WGで意見続出
政府の規制改革推進会議が25日開いたワーキンググループ(WG)で、乱用の恐れがある一般用医薬品(市販薬)を処方箋医薬品に見直すことを検討すべきだという意見が相次いだ。若年者を中心に広がっている市販薬の過剰摂取をなくすためで、複数の委員が根本的な解決策を厚生労働省に求めた。
乱用の恐れがある市販薬については、厚労省が薬局での販売方法の見直し案を10月31日、厚生科学審議会の部会に示した。具体的には、販売の際に購入者の手の届かない場所に陳列することを原則とするが、購入する市販薬と購入者の状況を適切に確認できる体制を整えれば、販売や情報提供を行う場所に専門家を継続的に配置して専門家から目の届く範囲に陳列できるなどの内容。
25日に開かれた規制改革推進会議の健康・医療・介護WGで、厚労省は市販薬の乱用を経験した人はそうでない人に比べ、インターネット販売で入手する割合が有意に高いことを示す研究結果を明らかにした。その上で、インターネット販売でも適切に規制を行う必要があるとの考えを示した。
ただ、意見交換では、ネット販売で厳しい規制を設けることに「合理的な理由はない」などという反対意見が出た。
一方、販売方法の見直しにとどまらず、根本的な解決を求める意見が相次いだ。
高山義浩専門委員(沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長)は、「一般用医薬品で過剰摂取により死亡者が出るなどの事例があるものは処方箋医薬品に見直すことも考えていただきたい」とし、より踏み込んだ対応を厚労省に求めた。
桜井なおみ専門委員(全国がん患者団体連合会理事)らも、販売方法の見直しだけでは市販薬の乱用の根本的な解決にはつながらないと指摘。「処方薬に戻すなどやっていかないと(解決は)難しい」と主張した。
厚労省によると、一般用医薬品を処方箋医薬品に見直すことは現行の制度で可能だという。WGで市販薬の乱用対策を引き続き検討する。
【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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