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選定療養に伴う患者説明、薬局の9割が「負担」

会計や調達・在庫管理の負担増も 保険薬局協会

 後発医薬品がある特許切れの先発医薬品(長期収載品)を希望する患者に選定療養費として「特別の料金」の支払いを求める制度の運用が10月1日に始まったことを踏まえ、日本保険薬局協会(NPhA)が会員薬局に行った調査によると、4,551薬局の9割が選定療養に関する患者への説明を「負担」に感じていた。

 選定療養に関する説明・対応の時間は平均2.89分で(4,530薬局)、医薬品の調達や在庫管理、会計なども含めて、薬局の負担が増えている現状が明らかになった。

 調査は、新たな制度の運用開始に伴い、薬局の対応状況を把握するため、11月1日-12月4日、NPhAが会員薬局を対象にオンラインで実施。4,551薬局が回答した(回答率22.4%)。

 選定療養に関する患者への説明を「とても負担」と答えたのは40.8%、「少し負担」が49.3%で、それらを合わせると90.1%が「負担」に感じていると答えた。

 負担となる業務を聞いたところ(複数回答)、患者への制度説明や意向聴取などの「患者説明」が91.3%で最多だった。

 ほかは、▽「特別の料金」の支払いを求める「会計対応」(70.6%)▽医薬品の変更に伴う調達や欠品対応などの「調達・在庫管理」(62.3%)▽対象患者かどうかの判断や医師への疑義照会などの「薬学的業務」(59.8%)-が続いた。

 また、選定療養の説明を受けた患者のうち、後発薬を希望した割合は4,523薬局の平均で55%だった。説明した後も先発薬を希望した患者が支払った「特別の料金」の平均は586円だった。

 選定療養制度に関して、医療機関と連携を取っていると答えたのは、4,551薬局のうち73.0%。連携の具体的な内容としては「医療機関に制度内容の共有や説明を実施」の52.4%が最も多く(複数回答)、次いで、「医療機関の方針を確認」(46.4%)、『選定療養の対象外となる「医療上の必要性」がある場合についての認識合わせを行った』(32.1%)などだった。自由記述では、患者説明の負担軽減につながる「一般名処方への変更」を挙げた薬局が複数あった。

 NPhAの担当者は、医療機関だけでなく医薬品卸との連携強化も重要だとし、「後発薬を希望する患者の増加を考慮したきめ細やかな医薬品の調達や在庫管理によって、業務負担を軽減する取り組みが求められる」としている。

【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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