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タミフル脱カプセルで投薬、院内製剤加算の算定可

インフル流行で粉薬不足なら

 厚生労働省は16日、インフルエンザの流行に伴い抗インフルエンザウイルス薬のオセルタミビルリン酸塩(商品名タミフル)のドライシロップの供給が限定されて院内で不足している場合、同剤のカプセルの中身を取り出して調剤した上で投薬すれば院内製剤加算(10点)を算定できるとの解釈を示した。

 ただ、その場合は診療報酬明細書(レセプト)の摘要欄に「オセルタミビルリン酸塩ドライシロップ製剤の不足のため」など、やむを得ない事情を記載しなければならない。

 また、脱カプセルによって調剤する場合の薬剤料は、オセルタミビルリン酸塩カプセルの実際の投与量に相当する分を請求する。例えば5日間で計262.5mgを投与するならオセルタミビルリン酸塩カプセル75mgの3.5カプセル分とする。

 オセルタミビルリン酸塩のドライシロップが不足している状況に当てはまるかどうかは、安定供給に支障が出ている品目かどうかではなく、医療機関で実際に提供が困難かどうかで判断する必要がある。

 2024年度の診療報酬改定に関する疑義解釈(その18)として、地方厚生局などに事務連絡で周知した。

 抗インフル薬を巡っては、インフルエンザの流行に伴う需要の急増で、沢井製薬がオセルタミビルDS3%「サワイ」と同カプセル75mg「サワイ」の供給を一時的に停止している。供給の再開は、オセルタミビル DS3%「サワイ」が1月下旬、同カプセル75mg「サワイ」は2 月上旬を予定している。

 厚労省は8日、返品が生じないようオセルタミビルリン酸塩製剤の過剰な発注を控え、当面必要な量のみの購入を医療機関などに求める事務連絡を出した。

 また、オセルタミビルリン酸塩のドライシロップが不足しているにもかかわらず処方や調剤しなければならない場合は、同剤のカプセルを開けて中身を取り出して賦形剤を加えるなどの工夫を促している。

【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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