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後発薬の製造、承認書との相違ゼロ目指し調査継続

月1回ペースで 日薬連

 後発医薬品メーカーによる自主点検により、後発薬の43.5%に承認書と製造実態に相違があったという報告を受け、日本製薬団体連合会(日薬連)は24日、承認書との相違がゼロになるまで月1回のペースで継続的な調査を行う考えを明らかにした。

 その上で今後、承認書と製造実態に相違が生じないように、▽公益通報制度の社内周知やコンプライアンス教育、ガバナンス体制の充実▽承認書の記載事項と製造や試験との整合性調査の恒常化・手順化▽製造や試験の実態と承認書との相違が判明した際の対応の整理-などの再発防止策に取り組む。

 厚生労働省の「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」で、日薬連が24日、一連の対応を行う方針を示した。

 日薬連はまた、後発薬の43.5%で判明した承認書と製造実態との相違について分析調査を行った結果も関係者会議で報告した。

 日薬連によると、2024年10月に厚労省が出した事務連絡で承認書との相違に関する考え方や具体事例が示されたものの、自主点検の期限直前で考慮できなかったことから、相違事例の再提出があったという。再提出分を整理すると、相違事例は後発薬の37.6%(3,281件)となった。

 承認書との相違があるとされた3,281件のうち、熱処理の温度管理などの製造パラメーターの値が異なるといった「承認書との表記の不一致」が3割超だった。ほかにも「承認書から製造手順が追加・省略」された事例などの報告もあったが、日薬連は細かな手順の違いで、医薬品の品質に大きな影響を与えるものはなかったと説明。また、承認書と異なっていてもGMPに従い適切に運用していればよいとし、承認書への反映は不要とされていたケースなどが多くあったと報告した。

 こうした報告を踏まえ厚労省は、承認書の内容変更に関する新たな相談窓口を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に設置し、承認書と製造実態との相違の解消を促す方針。

 意見交換では、坂巻弘之構成員(医薬政策企画P-Cubed代表理事)が「承認書や医薬品製造の手順書の在り方に問題があるのではないか」と指摘。今回の分析調査の結果を踏まえ、承認書や手順書を更新する現場の負担なども考慮しながら、適切な運用を見直す必要があるとの考えを示した。

【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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