国内医療・薬事情報
後発薬産業の構造改革 独禁法上問題ない行為を整理
2025年02月17日 18:15
事例集公表 厚労省と公取委
後発医薬品の安定供給を実現するため、厚生労働省と公正取引委員会は17日、産業構造改革の取り組みを後発薬メーカーが進めていく上で独占禁止法上、問題とならない行為などを整理し、事例集として公表した。
後発薬産業の構造改革の取り組みを進めるには、事業者による共同研究開発や共同調達、共同配送、共同生産などに加え、業界再編のための「企業結合」やこれらに先立つ情報交換を行うことが想定される。そのため厚労省と公取委は、これらの取り組みについて独占禁止法上、問題とならない行為などを事例集に盛り込んだ。
これまでの企業の取り組みに加えて、独占禁止法の適用や執行に係る透明性、事業者などの予見可能性を一層向上させることで、後発薬の安定供給を実現させるための取り組みを後押しするのが狙い。
例えば後発薬メーカー同士の「企業結合」について、一般的には先発薬も含む市場シェアの状況も考慮の要素となることや、後発薬メーカーの中に有力な競争相手が含まれたり、後発薬産業への新規参入もあったりすることなどから、「独占禁止法上問題とならない場合も多いと考えられる」としている。
事例集の策定は、厚労省が17日に開催した「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」で明らかにした。メーカーなどからの関連の相談に応じるとともに、事例の蓄積を踏まえて事例集の見直しを行う方針。
後発薬業界を巡っては、2021年2月の小林化工(福井県あわら市)を端緒に法律違反で行政処分を受ける企業が相次いだ影響で、後発薬を含む医薬品全体の供給不安が続いている。そのため厚労省の有識者検討会は、過度な低価格競争から脱却して「規模の経済」を動かしやすい企業群に移行するとともに、業界再編の機運を高めることが必要だとする報告書を24年5月にまとめた。
【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
※コンテンツの⼀部または全部を複製、公衆送信、翻案する⾏為を禁じます