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薬の安定供給・販売規制緩和へ 改正薬機法成立
2025年05月15日 16:10
調剤業務の一部外部委託や販売店舗拡大も
改正医薬品医療機器等法(薬機法)などが14日、参議院本会議で可決・成立した。医薬品の安定供給体制の強化やドラッグロス・ラグ対策、コンビニなど有資格者の常駐しない店舗での一般用医薬品販売を認めるといった規制緩和などが盛り込まれている。
近年の後発医薬品の不足などを受け、今回の改正では、供給体制管理責任者の設置や出荷停止時などの届け出を製薬会社に義務付けた。また品質の確保された後発薬の安定供給確保のための基金の設置も盛り込み、設備投資などを後押しする。
ドラッグロス・ラグ対策としては、条件付き承認制度を見直して、有効性が合理的に予測可能である場合などの承認を可能とする。特に問題が多い小児用医薬品開発の計画策定を製薬会社の努力義務とする。さらに新薬の実用化を促進するための基金も設置される。
薬局の所在地の都道府県知事などの許可によって、調剤業務の一部を外部委託できるようにする。コンビニなど薬剤師や登録販売者がいない店舗でも、有資格者がオンラインによる指導など遠隔で管理をすることによって一般用医薬品の販売を可能とする。オーバードーズ防止のため、20歳未満に対して乱用の恐れのある医薬品の大容量販売を制限する。
改正薬機法の成立を受けて、日本薬剤師会がコメントを発表。薬局と関係行政機関と連携した地域での医薬品の安定供給など、日薬が以前から主張していた意見が反映されたことを評価。オーバードーズ対策については、制度の詳細は今後の政省令で規定されることもあり、「国民が安全・安心に、また適正に医薬品を使用できるような制度設計がなされるよう、今後も状況を注視する」とした。
【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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