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OTC類似薬、保険外しの検討求める意見相次ぐ
2025年10月16日 18:10
医師会は反対 医療保険部会
社会保障審議会の医療保険部会は16日、薬剤給付の在り方を議論し、市販薬と成分や効果が似ているOTC類似薬の保険給付の見直しを検討するべきだという意見が保険者の立場の委員から相次いだ。
後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養のさらなる見直しや、バイオ後続品(バイオシミラー)への選定療養の導入などを求める意見もあった。
OTC類似薬を巡っては、政府が6月に閣議決定した骨太方針2025で保険給付の見直しについて予算編成過程で十分な検討を行うとされた。これは、自民・公明両党と日本維新の会の3党が合意した内容を反映したもの。
また、長期収載品の処方を希望した患者が特別の料金を支払う選定療養の仕組みが24年10月に導入された。特別の料金は現在、先発薬と後発薬の価格差の4分の1相当とされているが、25年度予算案の閣僚折衝では、引き続き見直しを検討することで合意している。
医療保険部会は16日、医療保険制度改革を議論し、厚労省は、OTC類似薬や長期収載品、バイオ後続品の保険給付の在り方などを見直しの論点として示した。
佐野雅宏委員(健康保険組合連合会会長代理)は、OTC類似薬について慢性疾患を抱える人や低所得者らに配慮しながら、できるだけ広い範囲を対象として追加の自己負担を求める方法や、保険給付から除外する方法の具体的な検討を求めた。
佐野氏はまた、長期収載品の選定療養に関して、▽対象品目の範囲拡大▽負担額の拡大-を挙げ、これらに関する課題を整理するよう厚労省に要望。バイオシミラーへの置き換えがある程度進んでいる「先行バイオ医薬品」を選定療養の対象とする必要性も強調した。
北川博康委員(全国健康保険協会理事長)や横本美津子委員(経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長)らも同様の見解を示した。
一方、城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、OTC類似薬が保険適用の対象外となれば患者が自己判断で薬を服用して疾患の重症化リスクが高まる恐れがあると指摘。保険給付の見直しに反対する姿勢を崩さなかった。
【記事提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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