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治療抵抗性うつ病に先進医療で維持rTMS療法

NCNPが多施設共同研究実施と発表

 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、NCNP病院で治療抵抗性うつ病への反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の維持療法に関する多施設共同研究を医師主導臨床研究(先進医療B)で実施すると発表した。

 薬物療法が効かない治療抵抗性うつ病では、再燃・再発を防ぐための連続・維持療法の確立が喫緊の課題とされている。国内では、薬物療法が奏効しないうつ病への治療選択肢として、変動磁場に伴う渦電流によってニューロンを刺激するrTMS療法が導入され、最大6週間まで保険診療として実施できるが、急性期6週間のrTMS療法後の維持療法については、十分検証されていないという。

 NCNP病院の研究グループは、予備的な研究として、治療抵抗性うつ病患者に急性期rTMS療法(週5日、6週間)を行い、寛解に至った患者に12カ月間の維持rTMS療法を実施した。その結果、rTMSによる維持療法を導入することで、12カ月後も寛解を呈し、同療法が有用である可能性を報告していた。

 今回の多施設共同研究は、抗うつ薬の薬物療法に反応しない中等症以上の成人うつ病が対象。急性期rTMS療法に反応・寛解した患者に、rTMSによる維持療法を行い、うつ病の再燃・再発、増悪を抑制するかを明らかにする。急性期rTMS療法(3-6週間)は保険診療、維持rTMS療法(12カ月間)は先進医療Bとして実施する。

【執筆提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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