1. TOP
  2. 国内医療・薬事情報
  3. 禁煙補助薬による認知記憶力向上のメカニズム解明

禁煙補助薬による認知記憶力向上のメカニズム解明

金沢大が研究グループの成果発表

 金沢大は、同大医薬保健研究域薬学系の金田勝幸教授、出山諭司准教授らの研究グループが禁煙補助薬のバレニクリンによって認知記憶力が向上する脳内のメカニズムを明らかにしたと発表した。この研究の知見は、将来、低コストの認知症治療薬の開発につながることが期待できるという。

 金田教授や出山准教授、江崎博仁氏(創薬科学専攻博士後期課程2年)、桂あやの氏(医薬保健学域薬学類6年)らの研究グループは、認知記憶機能に関与するとされている内側前頭前野(mPFC)とたばこの成分でもあるニコチンが結合する脳内ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に着目し、禁煙補助薬として認可されているバレニクリンの作用を調べた。

 その結果、マウスの物体認知記憶力を顕著に増大させることを発見した。さらにこの記憶力増大にはmPFC神経細胞におけるバレニクリンのα7型nAChRへの結合と、それに続くG蛋白質を介した細胞内シグナル活性化による興奮性神経伝達の増強が関与していることを明らかにした。

 認知症の新規治療薬は、その高価格から医療費を圧迫することが懸念されるため、「既存の薬物から認知症治療につながる薬を見つけることは患者にとってのみでなく、社会的にも重要」との見解を示している。研究成果は、国際学術雑誌「Neuropharmacology」のオンライン版に掲載された。

【執筆提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
※コンテンツの⼀部または全部を複製、公衆送信、翻案する⾏為を禁じます