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日常的チーズ摂取と認知機能の高さの関連性が判明

都健康長寿医療センターなどの研究グループ調査で

 東京都健康長寿医療センターは19日、日常的なチーズの摂取が認知機能の高さと関わることが、特定の地域に在住する日本人の高齢者を対象とした疫学研究で分かったと発表した。

 同センターと桜美林大などの共同研究グループは、板橋区在住の高齢者(65歳以上)を対象に対面でアンケートや機能的能力測定を行い、食品摂取や日ごろの生活習慣、身体状態と認知機能の関係を評価する横断研究を実施した。

 チーズ摂取と認知機能に関して欠損のないデータが取得できた1,504人について、認知症検査(MMSE)のスコアが23点以下を認知機能低下(LCF)として分類し、解析を進めた。分析に当たり、▽チーズの摂取状況▽年齢▽身体機能▽体格要因▽既往歴▽血圧▽歯の残存本数▽血液変数▽尿失禁の頻度▽牛乳の摂取頻度▽食事多様性スコア-の影響を統計的に調整した。

 その結果、チーズ摂取者(週に1回以上チーズを摂取する人)は、チーズ非摂取者と比較して通常歩行速度が速いことに加え、歯の残存本数が多く、血中の善玉コレステロール(HDLコレステロール)が高い値を示した。

 また、チーズ摂取者はチーズ非摂取者よりも牛乳を摂取している人の割合が高く、尿失禁の頻度が低いことや、MMSEのスコアが高い値を示した結果などから、チーズの摂取は「認知機能の低さと逆相関」を示すことが明らかになったとしている。研究の成果は、国際学術誌「Nutrients」に掲載された。


【執筆提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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