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ダイエットのために糖尿病治療薬、日医が懸念
医療・看護
2023年10月26日 13:01
「入手困難」な医療機関も
日本医師会の宮川政昭常任理事は25日の定例記者会見で、糖尿病治療薬を適応外のダイエット目的で使う自由診療の医療機関があるとして懸念を表明した。
日医が行った緊急アンケートでは、糖尿病治療薬の入手が困難な医療機関が、院内処方と院外処方の双方にあることが分かっていて、宮川氏は会見で「健康な人にダイエット目的で(糖尿病治療薬を)使うのではなく、糖尿病の患者さんにしっかり使える体制を確立して、守っていきたい」と述べた。
ただ、医療機関と利用者の契約に基づき行われる自由診療を法的に制限することは難しく、適用な使用を呼び掛けるしかないという。
糖尿病治療薬の副作用には、低血糖、便秘、吐き気、急性膵炎などがあるが、適応外のダイエット目的で使用し、重大な副作用が発生しても「医薬品副作用被害救済制度」の対象にはならない。
一方、糖尿病治療薬をダイエットに使う医療機関では、自己責任で自由診療を行うことへの同意を取るケースがあり、副作用などの有害事象が表面化しにくいという。
宮川氏は「(糖尿病治療薬の)目的外使用では予想もしないようなことが起こり得る」と注意を呼び掛けた。
【執筆提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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