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賃上げで入院基本料などの「評価見直す」

24年度改定議論の整理、中医協了承

 中央社会保険医療協議会は12日に開いた総会で、2024年度の診療報酬改定に向けた議論の整理を取りまとめた。前回の意見などを踏まえて整理案を一部修正し、40歳未満の勤務医や薬局の勤務薬剤師、事務職員らの賃上げを実現させるために「入院基本料などの評価を見直す」と追記。また、外来診療での標準的な感染防止対策や職員の賃上げを実施するため初再診料などの評価を見直すことも盛り込んだ。

 ほかにも、退院後の生活を見据えて入院患者の栄養管理体制の充実を図る観点から、栄養管理体制の基準を明確化することや、人生の最終段階での適切な意思決定支援を推進するためその支援に係る指針の作成を要件化することも追加した。また、患者への身体的拘束を組織的に最小化する体制の整備を医療機関に求める。

■敷地内薬局への対応も明記

 調剤については、医薬品の供給拠点としての役割を担って地域医療に貢献する薬局の整備を進めたり、職員の賃上げを実施したりするため、 夜間・休日対応を含めた「薬局における体制に係る調剤基本料などの評価を見直す」と書き加えた。

 一方、10日の前回の総会で示された整理案に記載されていた「リハビリテーション計画提供料を廃止する」という文言は削除した。

 24年度改定では、診療報酬の本体部分を0.88%引き上げる。そのうち、生活習慣病関連の管理料や処方箋料の再編などで0.25%分を効率化・適正化する。

 議論の整理では、生活習慣病などへの質の高い疾病管理を推進するため、生活習慣病管理料の要件や評価の在り方を見直すとともに、特定疾患療養管理料の対象患者も見直すとした。

 処方箋料については、損益率の状況や同じ敷地での医療機関との関係性など踏まえ、特別調剤基本料を算定する薬局の体制や、同一敷地に薬局を有する医療機関であって一定の基準に該当するものが行う処方の「評価を見直す」と記載した。

 24年度改定に向けた中医協での議論の整理は、12日の総会で了承されたが、今後のさらなる検討により変更される可能性もある。

【執筆提供:株式会社CBホールディングス(CBnews)】
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